ウールニットをクリーニングに出すタイミングについてクリーニング業者である僕の考えを書いてみます。
Tシャツ感覚で着るクルーネックやVネックなどのウールニットの場合
直接肌に触れるアイテムは基本的に一日着用すればドライクリーニングをします。
Tシャツ感覚で着用するハイゲージクルーネックやVネック、肌に触れる面積が大きいタートルネックなどがそうです。
なぜなら早めのドライクリーニングが汚れ落としには効果的だからです。
ウール素材は水溶性汚れもドライクリーニングで落としやすい素材ですからね。
皮脂汚れは油脂と汗の成分が混ざりあった物質です。
ですので油脂が混ざっている状態であればその油脂を除去する事で同時に汗の成分も取り除く事が可能です。
という訳で、早めのドライクリーニングが効果的なんです。
シーズンオフには水洗い(Wクリーニング(ドライクリーニングと水洗いの二度洗い))をします。
シャツの上から着るカーディガンなどのウールニットの場合
シャツの上に着るようなニットであれば週1~2回着用で月1回のクリーニングですね。
その為にも着用時はウールニット生地が直接肌に触れないようにする事です。
クルーネックやVネックであればシャツの襟があるので肌に触れないですよね。
袖口はと言うと肌に触れないようシャツの袖を5mm~1cm程度覗かせるようにしています。
ジャケットの着こなしと同じ考えですね。
肌に触れないようにすれば皮脂汚れは防げます。
後は外的要因による汚れです。
食事の際もそうですが、日常の立ち居振る舞いの中でも汚れないように気を付けた生活をしています。
万が一汚れた場合はもちろんすぐにクリーニングします。
そして、やはりシーズンオフには水洗い(Wクリーニング(ドライクリーニングと水洗いの二度洗い))をします。
ウール繊維について
ウールは元々撥水性のある繊維です。
ウール繊維の主成分はタンパク質と言う事。
繊維表面は長期間の大気にさらされていますので変質して疎水性になっていると考えられます。
内部は親水性のままですけどね。
水の影響を多大に受けるとスケールが開き内部に水が吸収される。
ですのでウール繊維自体は表面は疎水性なので少々の水分は弾きます。
それにニットの場合、表面は起毛した状態になっています。
細い繊維が起毛した状態なので少量の水であれば表面張力が働き水を受け入れません。
蓮の葉と同じ状態ですね。
そういったウール素材の性質がありますので汚れが付着してもドライクリーニングで除去しやすい素材だとも言えます。
水溶性汚れもウール生地に刺激(揉んだり叩いたり)を与えなければ表面に乗っかかった状態になっていると考えられます。
そういう物質であれば溶剤中で揉み摩擦作用やたたき力を加えればウール生地から剥がれやすくなります。
溶剤中には洗剤も入っていますからね。
水溶性汚れも有機溶剤の中では溶剤に溶けない不溶性汚れです。
早めのクリーニングで毛玉の発生も防げる
また、長期間着用し続けると毛玉が発生しやすくなりますよ。
毛玉は長時間擦れる事によって出来ます。
毛玉になる前にドライクリーニングで溶剤を繊維間に通過させて毛羽を解しリフレッシュさせましょう。
毛玉の発生を未然に防ぐためにも早めのクリーニングが効果的です。
ご参考になれば
以上がクリーニング業者の僕が行っているウールニットのクリーニングサイクルです。
ご参考にして頂ければ。