前回の続きです。
自然乾燥で十分に乾燥させた状態のモンクレール・デュベティカダウンジャケット。
ボリュームも洗い上がりよりも結構戻っていますが元々の状態とは程遠いですね。
ご家庭でお洗濯されたらこのような感じになっているのでは?
すすぎがしっかりと出来ていなければもっとペチャンコになっているかも。
羽毛は水の影響を受けるとくっつきやすくなり、まとまって団子状になってしまいます。
乾くにしたがい解れていきますが、すべてが解れる訳ではありません。
団子になった中の方は水分を抱え込んだままですので引っ付いたままです。
元のようなボリュームに戻す為にはすべてを解さないといけないのですが・・・。
なかなかご家庭では無理ではないでしょうか。
羽毛の種類でダウンと呼ばれるものは綿毛のようにフワフワして軽いもの。
無数に枝分かれして表面積が大きく、しかも薄くて軽いので水の影響を受けてしまうと簡単に引っ付き合います。
もう一つはフェザー。
こちらは鳥の羽というと思い浮かべる羽軸という軸が中心にあり、そこから枝分かれしている羽毛。
硬い軸があるのでフェザーはダウンよりは離れやすいように思います。
考えてみるとダウンに少しフェザーを入れているのは解れやすくさせる為かも知れません。
羽毛布団では95%ダウン使用もありますけど水洗いするとなかなか解れてくれないイメージが・・・。
軽くて柔らかいダウンに硬い軸が適度に混ざっていると解れやすくなりますもんね。
引っ付き合っている羽毛を外す為には間に残った水分を除去しながら解していかないといけないですね。
羽毛だけなら風などの力を借りながら手で揉み解して行けば良いのでしょうけど。
(羽毛布団のCMで風に舞っているダウンの映像がありますけど、あんな感じで)
でも、ダウンジャケットとなるとそうはいきません。
生地の中に閉じ込められていますからね。
ですので、外側からの物理的作用が必要となる訳です。
タンブラー乾燥機を使ってボリューム復元するのはこういった理由からです。
乾燥機の回転作用で羽毛に適度に刺激を与えて離れやすくさせながら乾燥させる事によって解しボリュームを復元させます。
ただ、何も考えずそのまま乾燥機を使うわけではありませんよ。
当店ではダウンジャケットへの負担を出来る限りに抑える為に2重にしてクッション性を上げたネットに入れて乾燥しています。
しかもダウンジャケットにストレスを与えない為に十分に大きなサイズのネットを使用しています。
小さなネットに入れてしまうと生地が折れた状態で機械力が加わる事になり、ダメージも与える事にも繋がりますので。
その他、様々な工夫をしながら安全にボリューム復元が出来るようにお手入れをさせて頂いています。
で、ボリューム復元した画像がこちら。
ボリュームもアップしました。
ダウンジャケットのクリーニングにお困りの方はお気軽にご相談下さいね。
大切に丁寧にお手入れをさせて頂きます。