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ダウンジャケットの保温性と油分

油分が失われると、どうして保温性が無くなるのだろう

ここ数年でしょうか、「ダウンジャケットをドライクリーニングすると保温性を失う」と言われだしたのは。

原因は「羽毛が本来持つ油分が失われるから」だそう。

しかし、油分が失われるとどうして保温性が無くなるのだろうか・・・。

ネットに出ている情報を調べてみると「水鳥が水面を泳ぐためには油分が必要だから」というのが一般的な答えみたいです。

油分がある為に水を弾き羽毛は膨らみ保温性が保たれるって事らしい。

詳細な説明がされているところが無くて、みんな曖昧なんですよね。

保温の為に油分って必要?

ダウンジャケットに使用される羽毛にはダウンとフェザーがありますが、羽軸が無く綿毛のようにフワフワとした保温力の高いダウンについて考えてみます。

水鳥は水面を泳ぐ為に必要なのかも知れませんけど、保温だけの目的で使用するのに油分って必要なのかな?

別に水中で着用するわけでもないですしね。

油分があるから固まらず解れやすくて羽枝も広がって保温性を高めるって事でしょうか?

油分が無ければ固まって団子状になってボリュームもなくなってしまうって事なのでしょうか

今までの経験上、そのような事は感じた事はないのですが・・・。

羽毛はどんな性質を持っているのか

羽毛の主成分はケラチンというタンパク質という事です。

人間の毛髪や爪と同じらしい。

羽毛は完成されると血流が途絶え死んだ組織となりケラチンは硬化するようです。

硬化したケラチンは不溶性の物質になるとの事。

同じケラチンが硬化した毛髪で考えると別に油分が無くても固まって解れないって事は無いですよね。

水を含めば引っ付き合いますけど、乾けば元の状態に解れます。

ダウンのように非常に細くて毛羽のある羽枝が無数に広がっていれば、その分水の影響を受けて引っ付き合い全体が固まったような状態になります。

羽毛はタンパク質が硬化した物質なので自分自身が水分を吸収しているのではなく表面が水素結合などの分子結合で引っ付き合っていると考えられるので水の影響がなくなれば少しの力で自然と離れますよね。

細かな羽枝なので普通の状態ではなかなか引き離せないですけど、揉んだりして解れやすくしながら水分を飛ばしていけば自然と元のふんわりとした状態に戻ります。

ダウンジャケットのボリュームを戻すのに乾燥機を使う理由がそれです。

仮に油分が必要として、その油分はどのようにして落ちるのか

じゃあ何を根拠に油分が無くなると保温力が下がると言うのか。

というか保温力を下げるのに油分が関係しているのでしょうか?

仮に油分が必要だとして、その油分は一般的なドライクリーニングの溶解力で落とせる油分なのでしょうか。

洗剤や溶剤の溶解力以外で油分を落とす事は出来ないのでしょうか。

ダウンを含め繊維から油分が取れるには溶解の他にも分離も考えられます。

採取した羽毛原料は汚れを除去する為に洗浄しますが、その浴中で汚れを落とすには揉み合い擦り合ったりする事も必要かと。

その洗浄方法の強さによっては、例えば洗浄前のダウンには細く弱い羽枝が100あったものが洗浄後は80になっていたと仮定して。

となると全体的に油分が残っていたとすれば20の羽枝の油分がとれてしまったって事になります。

強い作用であればダウンの羽枝へのダメージもあり、脱落していくものも多数あるのではないかと。

で、ダウンの保温力になる嵩高性の要素、ダウンの羽枝が減っているので当然取り込む空気の量も減るでしょうから保温性も下がる。

という事で油分が取れると保温力も下がるとなったのかと想像するのですが。

ウール生地の風合いの話と同じですね。

(ウール生地の風合いの話は、また後日書く事にします)

それを防ぐ為に、羽毛の工場によっては優しく洗ったりしてなるべく状態を保つように努力されているのかと。

まぁ、あくまでも仮説で想像の域ですけど。

でも、考えると別に油分が直接保温性に関係している訳でもなさそうな気がしませんか?

また、油分が無くなると水を弾かない(ダウンジャケットの詰め物としてのダウンがどうして水を弾かないといけないのかわかりませんが)と言われますけど、あれだけの細くて無数に枝分かれしている羽枝を蓄えたダウンであれば少々の水であれば表面張力が働き弾くのではないでしょうか。

いい加減な情報に惑わされないで

しかし、本当にいい加減・・・じゃなくて曖昧な事をよく書けるなって思います。

ご家庭でのお洗濯に関する事を書くとアクセス数が稼げるのかも知れませんね。

興味を引きつける為には、より関心のある事柄を見出しにしたい。

家庭での洗濯では難しいダウンジャケットを取り上げればアクセス数も稼げる。

そのダウンジャケットを「クリーニングに出す必要がない、家庭洗濯しましょう」とアピールする要素にこの”油分の事”を書いているのではないでしょうか。

ドライクリーニングが一般の方には分かりにくい洗浄方法が故に間違った印象を与えたまま悪者にされてしまい、いつも引き立て役になっているように思います。

ドライクリーニングにデメリットが無いとは言いませんが、洗浄方法や衣服の取り扱い方などでその品質も変わってきます。

そのあたりも追々とお伝え出来ればと思います。

ダウンの洗濯を調べていると本当に面白い文章ばかりに出会います。

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